私はAPMで秋山館長に教えていただき、初めて知りました。
この質問は、「初刷り」という言葉を知ってからの質問です。

(2013.01.21 APM展示室にて撮影)
Q. この美術館にあるポスターはすべて初刷りですか?
A. 初刷りというのは、版画の概念の言葉です。
近代・現代版画は、エディションナンバーが付けられるため、その刷の所在が明解になります。
ところが、江戸時代の浮世絵版画などはエディションナンバーが付けられていないので、所在が不明解です。
それで、専門家がその刷りのレベルを見ていつの時代なのかを読んでいきます。
たとえば、元になる版木や紙、それから絵の具を調査して、本物、偽物などと判断します。
版木の彫りの技術レベルを見ると、その時代がわかります。
それは、何度も刷られて古くなると、エッジなどが摩滅して甘く見えます。
それでポスターも同じように、初刷りをとても大切にしています。
この美術館に展示されている秋山孝のポスター作品は、ほとんどが初刷りのきれいな状態のものです。